■香/インセンス

○香木(こうぼく)

香道で用いられる香木には、サンダルウッドの名でも知られる「白檀(びゃくだん)」、
「沈香(じんこう)」、沈香の一種で最高級品とされる「伽羅(きゃら)」の3種類があり、
用途に応じていくつかの形で扱われています。

重ね⇒白檀の木をスライスしたもの
割り・分割り⇒約1cm四方で厚さ3mm程度のもの
刻み⇒香木を約1mm角にさいの目に刻んだもの
末(まつ)⇒香木を粉末にしたもの

○天然香料

天然香料には香木のほかに、樹脂(レジン)や樹皮、針葉、根、ハーブ、スパイスなどがあります。
大きすぎるものは、適度な大きさにあらかじめ揃えておきます。

○薫物(たきもの)/練香(ねりこう)/印香(いんこう)

薫物はさまざまな天然香料を粉末にし、蜂蜜や梅肉と練り合わせて丸め、磁器の壺に入れて熟成させたもので、やや湿り気のある丸薬状です。この薫物に炭粉を配合したものが練香です。
薫物や練香などの固形インセンスは手作りすることもできます。
印香は薫物や練香、線香の素材を型に入れ押し固めたもので、風炉(ふうろ)の季節(夏)に使われます。
空薫(そらだき)の道具
■香炉

香を焚くための容器で、香道においては空薫用と聞香用のものがあり、いづれも陶磁器や金属製のものが
一般的です。空薫用では古くは仏前で使用する火舎(かしゃ)のほか、柄香炉、吊香炉、鞠香炉などの形状
のものがあります。聞香用の「聞香炉(ききこうろ、もんこうろ)」と呼ばれる香炉を用いることもできますが、空薫に用いると灰に香りが残ってしまうため、微妙な香りの違いを楽しむ聞香用の香炉とは別にします。
■灰

灰は香炉の半分〜八部目くらいまで入れて使います。
炭を燃えやすくするだけでなく、熱を均等に伝えるので、陶磁器などのひび割れを防ぐ役割も果たしています。

使用するたびに新しいものに変える必要はありません。使用後に目について気になる燃えかすだけを取り除いておきますが、たまに目の細かなふるいにかけて異物を取り除いておきます。使用前にはあらかじめ温めて湿気をとばしておくことも必要です。
■炭

空薫では燃焼時間を調節することができるように、割って使うための溝が入っている炭団(たどん)が用いら
れます。炭団は炭粉にふのりを混ぜて練り、固形にし乾燥させた燃料で、着火しやすく、一度火を着けると使
い切りになります。
■火箸 

香道において用いられる七つの火道具のひとつで、金属製の箸です。
火のおこった炭をつかんだり、香炉の灰をやわらげ、均一にならすため、かきまぜる時にも用います。
空薫(そらだき)の道具
1.香炉に灰を入れます。
2.炭団に火をつけ、半分ほどおこします。
3.香炉の灰の中央に炭団を浅く埋めます。
4.灰が十分に温まったら、炭の上に軽く灰をかけ、灰の上に香を直接のせます。
香は炭の真上ではなく、少し際におき、熱の加減をを調整します。
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